「謎解き」というツールは人様に何かしらの影響を与えられるものだなと思っております。
まあ、それが謎解き以外でも文章でもイラストでも、なにかしら影響は与えられると思うのですが、謎解きってリアルに人様の時間と金銭をいくばくか奪い、かなり密接なやり取りがプレイヤー内で発生することが多いため、良くも悪くもいろんな意見がでるし影響が出る物だと思っております。
そして「何かを生み出す」ことは非常に自分とのストイックな戦いになってくると思います。
たとえそれが商売ではない活動だとしても非常にシビアなものにならざるを得ないと思っております。
それを仕事にするとなると…。
ええい、なぞこよ、何の話をしたいのだ!
そう、パズバコネタバレナイトの話です。
たぶん。
パズバコネタバレナイトは「何かを生み出す仕事」の苦悩と喜びが詰まっていた120分だったと私は思いました。
懐かしくもうらやましく、尊敬の念と共に見ていました。
(だいたい笑っていましたけれどもね)
謎解きを商売にしている人というのはもちろん好きだからやっているのでしょうが、常に自分の中での「オラよりつえーやつ」的な戦いがあるのだろうなということです。
「はっとする謎」「すごい謎」を考え続けるのってパズルを作るのはパズル(飛び出た名言1)なんだから一日中そればかり考えているのでしょうね。
ネタバレナイトの詳しい内容は今後のネタバレナイトのネタバレにつながるために言いませんが、「人を楽しませたい」ことに腐心しているキラキラしている人たちを見るのはとてもうらやま楽しいということです。
ところで、私が何かを体験したり、購入する時に一番肝心だと思うのが
「愛があるかないか」です。
やった時から思っておりましたが、お話を聞いて、パズバコには愛が詰まっていると感じました。
世界にまだ謎がそんなになかったころ(飛び出た名言2)からパズルを作っている新世界の神みたいなサカイダニさんをはじめ、謎はもちろんですが紙の大きさや箱などの細かい部分にこだわる足立さんのコンビネーションが素晴らしい。
ここでちょっと私の話をしますね。
私が単に想像でこういうことを言っているわけではないということを必要かはさておき、一応お知らせしておかないと。
私はおもちゃの会社で数年間、アニメのおもちゃを作っていたのです。
随分前のはなしですのでそのころの感じと今は何かと違っている可能性もありますけれどもね、あくまで「私の体験」です。
希望したわけでもなくなぜか配置された部署だったので特段そのアニメに思い入れもありませんでしたが、自分が担当しているものですもの、私はそのキャラクターを世界で5番目くらいに愛していたと思います。
1番ではありません。1番はアニメ自体を作っている人だと思っておりますので。
おもちゃを作るにも、もちろん根幹にはアニメがありますし、その世界観に連動した商品でなくてはならないので「これって何かね?」「おもちゃこうしていいですかね?」と版権元さんに確認して進めなくてはいけません。
おもちゃのギミックを一人で考えるわけではないし、設計を一人でやるわけではないのですが、基本的な希望や最後に「なぞこさんどう思います?」と聞かれることが多くなります。
決定権ってやつですね。
アニメに出てくるそれが素敵なのはわかるのですが、それにプラスして実物を手にした時に私が子供にどのようなわくわくとキラキラを提供してあげられるのか、かなり悩んでいました。
つまらない商品を作ることは簡単です。でもアニメで見て実物手にして「こんなんじゃなかった」と思われたくありませんよね。「わーアニメのあれが手に入ったー!」となりたいじゃないですか。
子供たちから意見を集めることもありましたが、基本は担当の商品への「愛」がそれが良いものになる決め手になっているはずだ、と私は思っております。
私の意見、私の感覚でいいのかと思うことが何回もありました。
「これは本当に面白いのか、素敵なのか、持っていてうれしいのか」
自分ならこれが楽しい、これが嬉しいと言う事をコストと相談しながらひとつひとつに呪いのように詰め込んでいました。
これが愛だ、と私は思っています。
子供って「面白い?」と聞くと「うん!」しか言いませんからね基本。みんなとも相談しますけどね。でも最後に頼れるのは自分の感覚なんです。
そんなことをネタバレナイトで思い出したのです。
おもちゃがなくたって、謎がなくたって死ぬ人なんていません。
(ん?謎がなくて死ぬ人はいるかもしれないな:笑)
なのに、今回のおふたりは、楽しんでくれるか、みんながすげえと行ってくれるか、そこをとことんぎりぎりまで突き詰めているようで、それに私は感動しました。
だいたい笑ってたけど。
だって、謎なんて考える方も閃きを要する物じゃないですか。
それ、閃かないかもしれないじゃないですか。
単純におもちゃだと「コスト無視して多色LEDたくさん使って回したらぶわーーーーって光ったら気持ちいいーー!」(めちゃ怒られるけど)とかとは違うじゃないですか。
「これは本当に面白いのか、素敵なのか、持っていてうれしいのか」というところは、謎なんて人によって感じ方違いますし、一人が「うん!」と言っても怪しく感じるでしょうね。
子供の「面白い」くらい信頼ならん。
社長の加藤さんもその「ぎりぎりまで突き詰める」点に関しては同じなんだと聞いていて思いました。でも無理なことは言わない無理強いしない素晴らしい上司だなと。
だから私はリアル脱出ゲームが好きなのだろうなとなんだか無性に納得したのです。
私はね、子供全然好きじゃないんですけど、子供が自分の作ったおもちゃで楽しそうに遊んでいるのを見るのが、これが宝物だって言ってくれるのが支えでした。
だからね、パズバコを楽しそうに遊んでいた私たちはきっとSCRAPさんの支えになっているはずなのだとおこがましく思っております。
だからやってない人は早くやって、買ってない人は早く買ってほしいと思うのです。
売れる事も作り手のモチベーションにつながりますから!!