北風と太陽というイソップ童話を皆さんはご存知でしょうか。
(いらすとやすごい)
旅人のコートを脱がす競争をしていた北風と太陽。
北風が吹き飛ばしてしまえ!と風を吹かせたところ、コートが脱げるどころか旅人はますますギュッとコートを離すまいとしたのに対し、太陽があたたかく照らすと旅人は自発的にコートを脱いでしまった…というあまりに有名な話です。
ちょっと考えれば、そりゃそうだろうよ、と思うこの話ですが、なんか最近しみじみ感じたのです。
私は自分の仕事をひたすら他の人に振りまくる同僚と仕事をしております。だいぶ長いこと。
最初は振られたものを一生懸命に取り組んでおりました。
「これ送って」「これハンコ押してもらって」「この書類書いて」「この人に電話して」…。
基本的にその人がいる時は自分の仕事ができないと思い、その工面をしていたり。
会社を辞めた元上司に「なぞこは〇〇(その人)の秘書じゃないんだから」と言われたのですが、いや、まってくれ、上司よ、君がその同僚にストップかけてくれよ、私から言えないでしょ…と思いました。まだ若かった。
しかし一定の年数がたって、私は必殺技を覚えました。会社員でも必殺技って使えるんですね。
それは無視。
そう、見えない聞かないふり。
作業をいずれ振られるのであればそれまでは何も言わないで知らんぷりしておこう、という気持ちになりました。しかも何かを頼まれても「それ、私がやらないといけない作業ですか?」と聞くようになりました。
そうしたらその人は違う同僚に同じような作業を頼むようになりました。
そんなこんなで私は「これ送っておいて」系からは脱出したのです。
反面、最近違う部の同僚と仕事をすることがあるのですが、その人はすぐに「これやります」「これ作ります」「これ送ります」というのです。
なんだかとても申し訳なくて、「なら私これやります」とつい言ってしまって、なにこの人、太陽じゃん!と思いました。
確かに謎解きでも、これやります、これやります、ならこれやります、となることが多いなと思って北風と太陽って本当にあるんだなと思いました。
…………そう、数週間前までは…………
この同僚と仕事をしていて気が付いたのですが、「これやります」「これ作ります」「これ送ります」と彼が言うのは、太陽でもなんでもなくて、単純に「人を信じていないから」なんだなと気が付いたのです。
というのも(あれ、この間その話したし、それ私がやるって言ったのに…)ということを何回も確認されたり、やろうとしたり。
一度や二度であれば勘違いかなと思いますがそうでもなくて。となると単純に私が彼から信用されていない、ということなのだなと思ったのです。
私が信用に足らない、というのは彼にとってはそうなのでしょうから仕方がないのですが、人を信用できないというのはなんとも寂しいことであると思ったのです。
自分が一番信頼できるから自分がタスクをすべて引き受ければそれは仕事は楽に進むかもしれません。
でも誰かとやれば時間は半分で済むし、下手したらもっと早く進むかもしれません。遅くなるかもしれませんけれども。
ちなみにその分野の仕事は結構長くやっているので、私に任せてくれれば結構いろいろ迅速に進むはずだと思います。まあ、彼との仕事のスタイルが合わないのであれば一人でやった方が速いと思いますけれども。
なんだか悲しくなったので彼の仕事もあまり手を出したくなくなりました。
でもこのスタイルが彼にとっては普通なのでしょうから、社会で仕事をしていくって難しいことなんだな、と改めて思ったという話です。
【次回】
人を信頼するとは!?
謎解きでは安心して背中を任せられる人と組みたい
の巻