私はなぞこ。
赤いシマシマの服を着て多くの人から見つけられてはならないという使命を生まれながらに与えられている。
しかし最近九州や大阪や東京で多くの人に目撃されて、それが国家の目につき、ここ、アルバトロス刑務所に連れてこられた。
罪は「日本中の人からすぐ見つかる」らしい。
狭い監獄には他に3人。
見るからに異様な雰囲気である。
1人はゴリラ。いや、1匹か。
幸運にも人の言葉が話せるようだ。どうやら彼はこんなつぶやきをしたことにより投獄されたようだ。
マグロが見たいのか。
罪は「動物園を抜け出して水族館に行こうとした」らしい。
もう1人は警備員のようだ。
どうやら警護をしなくてはならない場面で爆睡したようだ。
こりゃあかん。
罪は「車に乗ってすぐに寝て警護しなかった」。
看守には「ややこしいなお前は」と言われていた。
最後は...なんだかわけありげな男だ。
服の隙間から見てはいけないようなものが見えている。
少し怖いから罪については聞かないでおこう。
(ゲーム中の写真ではありません)
監獄アルバトロス
ーー狭い檻が立ち並ぶ巨大な監獄。
世界の名だたる犯罪者たちも震えあがるその場所に私たちは捕らえられてしまった。 そして背負った罪により、私たちはまもなく処刑されてしまうようだ。
私を消せば私は一生見つからない…そうか、国家は私の絵本を無理ゲーにしたかったのか……。
そんなのダメだ!私は消えたくない。私はまだまだ行きたいところがたくさんある。1月にUSJに行かなくてはいけないし、2月はお台場に行かなくてはいけない。
消えてなどいられないのだ。
どうにかここから出られないだろうか…
ふと壁を見るとそこには不思議な暗号文が。
これは...。もしかしたら看守の目を盗み、脱獄をすることができるのではないだろうか。
他の3人も同じことを考えていたようだ。
よし、ゲームをはじめようじゃないか…。
檻に閉じ込められた私たち。
犯した罪も地域も動物も大体バラバラだが、どうやら謎解きは得意らしい。
「私メモします」
「私探索します」
「私これ解きます」
「これ得意な方は」
「やってない問題は」
罪人とは思えないほどのスムーズさで次々に謎や暗号を解き明かし、
「これは干し芋を食べるの(嘘の行動)では」
「じゃあやります、はいできた!」
罪人とは思えないほどのチームワークで、何も言わず自然と役割分担ができあがった。
時が経つにつれ、情報と謎に溺れていく私たち。
しかし誰かが知らないことは誰かが知っている。まるで昔からの仲間のようだ。
そうしてパズルのピースがぱちぱちとハマるように情報の共有がなされていた、ウォーリーとゴリラと警備員となんかわけありげな男。
時に爆笑し、時に驚愕し、時に注意され、全力で脱獄に挑んだ。
そうして皆の力で無事に4人は脱獄をすることができたのだ。
歓喜する私たちを横目に、わけありげな男がついに服を脱ぎ、罪状を見せてくれた。
なんと2種の罪に問われていたようだ。
一緒に脱獄したから分かる。
この人は確かに優しい人だ。
しかしその罪に問われた作品も見せてもらった。
確かにこれは...。
問題「順番につなげて、まん中を読め」
無事に外の世界に戻ることが出来た私たち。
なぞこは空に旅立ち、
ゴリラは水族館に行き、
警備員は熟睡し、
わけありげな男は優しさに包まれた。
その後彼らはふとした瞬間にあの監獄アルバトロスを懐かしく思い出すのであった。脱獄は成功したけれどもずっとそこに居たかった。
また、会える日まで。
※全てフィクションです。(時系列含む)
私はこれが書きたかったのです。
はい。
ただただ、私はアルバトロス刑務所がとても楽しかったです。
そもそもこれを使用と思ったのがわけありげな男が「リアルな囚人やろうかな」など言い始めたあたりからの構想2ヵ月、罪状の検討1ヵ月。
同行者の行動や性質を伺い、どんな格好でくるか(自分含む)を聞き、取材に取材を重ねみんなの罪状を抱えてアルバトロス刑務所にやってきました。
監獄アルバトロスからの脱出
ホール型?
探索 ☆☆☆
謎 ☆☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆☆☆
参加形態 友人4
原宿ヒミツキチオブスクラップ
脱出成功
我々はずっと茶番していたわけではなく、ずっと真面目に謎解きしてたんです!茶番は最後とはじまる前しかしていないんだ!!信じてくれ!
本当に楽しかったそして疲れたに尽きます。
謎解きゲームは「謎解き」ではなく「いかにチームワークを発揮するか」なんだと思っているのです。
まあ、解いてくれる人がいないと進まないのですが、設定から問題からなんだらかんだら、全部なんて覚えるの無理無理!このことはいつか書こうと思っているのでその時に詳しくお話しますね。
そんな「チームワーク」が顕著に出た公演だったと思います。4人という人数も絶妙です。「だれ1人ぼーっとできない」のです。恐ろしいです。
4人が4人すべての過程で全力でした。本当に疲れました。
大体私は何かに閃いたり、気が付いたりしてもそれをうまく実行できないので、誰かに「やってーーーー」と放り投げることが多いのですが、それをきちんと考えて実行してくださるチームメイトに涙しかありません。
本当にこれはなぜなのだろう。
干し芋を数えるとかそういうことでも「はいこれやって!」と偉そうに言いがちなのですが、「とりあえずなんか気が付いたし、閃いてみたのですが、それをやれないから代わりにやってください」という意味なんです。
できないんです。
数えるとかレベルでも間違えるんです。
「小さいアジト」のような空間だからこそできるギミックがたくさんあり、そのたびに「うえーーーーい↑」となって怒られたこともしばしば。
何人かが「途中にもやっとポイントがある」と言っていたので気になっていたのですが、私はまったく感じませんでした。
ラストもスッキリおわれますし、私はとても満足しております。
全然公演と関係ないのですが、この際に一番怖かったのはねこカフェでした。
同行者がどんどんねこカフェに集まってきたのだけれども、ゴリラさんが本当にいつの間にか隣にいたことでしたね。
いつの間に!
私の隣に!
君はいたのか!!!!!
これを超える驚きはアルバトロスの中にはなかった…。