ネタバレを踏まずにこの映画の感想を書くことが私にはできないと思ったのでツイートすることすらなく、長らく感想を封印してきました。
そろそろ多くの方が見終わったころかと思い、ネタバレを含めての
「カメラを止めるな」
の感想を書いていこうかと思いました。
私は基本的にネタバレは悪だと思っています。でも書きたかったの!
許してください。
私がこのブログを書くことで誰かの楽しみを奪ってはいけないので、見ていない人は映画を見てから読んでください。
そもそも映画を見る気がない人はこれ読んで見たくなってくれたらそれでよいのかもしれない。
引き返しのタイミングだよ
引き返しのタイミングだよ
引き返せないぞのタイミングになってきたよ
以下ネタバレを含みます。
私は映画を一度しか見ていないし、そんなに熱狂的なファンでもありません。
しかし、長いことテレビ局で働いていたので、見た時激しく動揺しました。(とはいえ私そんなに番組は作っていないけどね)
前半の感想
何の前情報もないほうが良い、ということだったので極力何の情報にも触れずに見に行ってみました。
するとゾンビ映画でした。
「ゾンビかよ。興味ないな。」心の中で思いました。
しかし数分で無駄にこの映画がワンカメショーであると気が付きます。俄然興味が出てきます。
そう、無駄に、なのです。
前半は
「意味が分からない」
という感情だけでした。
いや、このゾンビ映画の意味が分からないということではなくて、(それもあるけど)この映画をリスクも高いのに、ワンカメショーでやる意味が分からないということです。
(ワンカメショーとは1台のカメラでカットすることなく撮り続けることです)
自分がこの映画のADだったら相当嫌だな、とずっと思っていました。
人々よ、ワンカメショーでやるということの大変さがわかるか…!常に見えないところでは次の準備が行われ、カメラマンの誘導をせねばならず、出役のメイク、準備…等々、みんな思っているんだぞ、「なんでワンカメショーにした!」と。
このゾンビ映画をワンカメでやるのに何の意味があるんだ…!!!スイッチャーが壊れたのか…!?なら借りて来いよ…!!?
映画を見ていて思い出したのはその昔、私が音楽番組のADをしていた時のこと…。
当時の私は前日に台本を渡されて色々準備して当日にフロアを仕切っている人の下につく第二ADみたいなものでした。
台本を読み合うときに何か疑問や質問があれば、ゲストにかかわらない場所であれば変えることもできる環境だったのですが、その時は大丈夫だなと思って受け入れてしまったのです。
そう、ジェンガとかき氷を。
詳しくは忘れました。というか私はかき氷をひたすら削っていたのでもはや知りません。
複数メンバーのいるグループが何かをかけて競っていたのです。
まずは「ジェンガ勝負」。
ルールは簡単。ジェンガを倒した人が負けです。あの気の積み木みたいなやつ。縦長の。グラグラするやつ。
次に「かき氷勝負」。
かき氷を早く食べた人の勝ちです。
最後は忘れました。
察しのいい方はお気づきでしょう。
そう、ジェンガ、いつ終わるかわかんねえの!
どうやらジェンガの戦いはかなりもつれ込んだようです。
長いこと「かき氷お願いします!」の声がかかりません。私は前室と呼ばれるところでずっとかき氷を削っている!(手動)だってかき氷、溶けるの!今は夏なの!
ジェンガから勝負は流れるようにその熱量を保ったままでやりたい、つまりカメラは止めたくないってディレクターに言われたの!溶ける!削らないと…!ええい!ジェンガいつ終わるの!なんでかき氷先にしなかったの!!というか、カメラを止めてくれ!!!
これをゾンビ映画の37分の間に感じずにはいられませんでした。
(なお、かき氷はカメラを止めずに無事に数秒で食われました)(私グッジョブ)(感謝はされないそれが仕事)
中盤の感想
私がジェンガとかき氷の思いにふけって、そういえばゲストがゲームをしている時に第一ADとディレクターがインカムで「罰ゲームのらっきょない?!?は?!??今すぐ買ってきて」と言われて、結局私が買いに走ったカメラを止めないこともあったな、らっきょ間に合ったのに(私グッジョブ)ゲストが嫌いなもの出されて半ギレしてたな…など思い出している間に、映画的なものが終わりました。
(これ何が面白かったの…?これ絶賛している人は何…?いや私は面白かったけど…)
という気持ちのままこの映画が作られるに至った経緯と監督の背景や練習風景などの日常シーンに入ります。
なるほどワンカメショーは生放送だったのか。ならば無駄ではないな。ワンカメである必要性は全く分からないけど、生であれば少々納得は行く、と思って見ていました。
しかしここでも前半との様々な違和感がちりばめられています。
そして私は思うのです。
これは謎解き映画なのか…と。(違う)
前半の違和感が何も解消されないままむしろごっちゃごちゃになっていくのです。
ええ、この人なんで!?
ええ、実際やってたじゃん…
など訳の分からなさが拍車をかけていきます。
もうどうにでもなれ。
後半
その違和感が全てまるっとおさまりました。
爆笑と共に。
あれ伏線wwwwって50回くらい思いました(盛っている)
クレーンが壊れたら私だったらどうするかなーと見ていたり。
いや本当に精巧な構成でした。
また見たいというのがすごく分かりました。ひとつひとつ確認したくなりますよね。
個人的にはエンドロールのメイキング映像みたいな前半のワンカメショーの舞台裏が一番面白かったです。
こけたのは演出なのか実際のハプニングなのか…
映画とは異なる「裏カメラを止めるな」があるんだろうなと思いました。
だれかかき氷削っていた人とかいるのかな…ジェンガ、なかなか終わんないよね!(いない)
サントラがありましたよっと。