宮沢賢治の作品の中でも私が謎解きに向いているなと思ったのが「カイロ団長」だったのですよ。
しかし、それをこの間よだかの公演の後にチームメイトに話したら
「なにそれ」
と言われたのですよ。
カイロ団長知らないの!?(と言って私も作品名出てこなくて困っていたのだけど)
その点宮沢賢治の代表作、「銀河鉄道の夜」は誰でも知っている名作で、この公演はその設定をよく活かしているなと思いました。
タイトル&ストーリー
銀河鉄道の夜からの脱出
ホール型
探索 ☆☆
謎 ☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆
参加形態 5人
成功
目が覚めると、あなたは列車の中にいた。
おかしいな、ケンタウル祭にいった帰り道、星空をみていたはずなのに。
銀河ステーション、銀河ステーションという不思議な声が、耳の奥に残っている。
ゆっくりと立ち上がると、すぐ前の席にぬれたようにまっ黒な上着を着た背の高い子供が、窓から頭を出して外を見ているのに気が付きました。
その子供が頭を引っ込めて、こっちを見ました。
僕はカムパネルラ。
きみは銀河ステーションから来たんだね。
覚えてないのかい。
家に帰りたい?
それは難しいよ。
だって、銀河鉄道はもう銀河ステーションを離れてしまっているから。
あなたが窓から頭を出すと、列車は白鳥の停車場に向けて銀河の線路を走っていました。
でも、方法がないわけじゃない。
カムパネルラは云いました。
僕の友達が、ひとりだけ、この銀河鉄道から脱出したことがあるんだ。
所感
個人的なことですが、私の母が宮沢賢治をこよなく愛しておりまして、1985年に製作された猫で描かれている銀河鉄道の夜の映画を何度も見たり、宮沢賢治記念館を訪れたり、銀河鉄道を模したSLに乗りに行ったり…そう、育って来た環境から半強制的に結構な宮沢賢治ファンです。
ということで、
カムパネルラ…!!!
私はまた君に会えてうれしい…!!
というちょっとよくわからない感覚でした。
そんな銀河鉄道の夜の世界観をうまく謎解きに落とし込んでいる公演でした。駅が来て乗客が乗ってきて…そして駅が来て…
時間が過ぎる中で自分に何ができるのか、それを考えて行動していくのは楽しかったです。
カムパネルラ…!!!
謎の話
最新作の「誰がコマドリを殺したのか」がドラマチック謎解きゲーム16だそうです。そしてこの銀河鉄道の夜からの脱出はシリーズ6作目だったようです。
はじめに司会の方が「この謎解きは少し不親切な部分がある。昔のまま持ってきた」とおっしゃっていましたので、なるほど不親切大好物!と思い、不親切どこだ不親切!と思って進めましたが、結構スムーズに解けてしまって「不親切どこだったの…」となりました。
人々は謎解きにおいて「不親切」なことをだいたい「導線が薄い」と言いますが、まったくそんな感じはしませんでした。
全く詰まることなく進んでしまったので何を不親切と思うかとは人によるのかもしれません…。
それか初めから不親切があるぞ!と思っていると不親切を上手に救い上げられるのかもしれませんね。
ただ、昔の作品らしさはありました。
今はこの仕掛けは積極的にやらないだろうなという仕掛けと、運営がとんでもなく大変そうなギミックがありました。それを見たとき、なかなか再演できないとおっしゃっていた理由がわかった気がしました。
昔の作品は昔の作品で一周まわって逆に新しさや斬新さがあるので、ぜひドラマチック謎解きゲーム1とか2とか3とか4とかの再演もお待ちしております!
それかカイロ団長。