歌舞伎座は前の会社の東京支社の近くにあったので建物自体はよく見ていましたが、「歌舞伎」がなかなかハードルが高くて訪れたことはありませんでした。
謎解きはこのような場所に「あ、今日は用事があるんで」という顔をして入れるのがいいですよね。
タイトル&ストーリー
銀座木挽町 謎掛心中噺
探索 ☆☆
謎の難易度 ☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆
場所 歌舞伎座周辺
参加形態 2人
価格 2,200円(税込)※歌舞伎座ギャラリーへの入場券(600円分)付き
大団円
さあさ皆様ここいらで、ひとつ噺を致しましょう。
時は昔の歌舞伎座で、身分違いの男と女が心中しようと決意した。話を聞いたは男の友人、歌舞伎好きの一人の作家。
「そんならアタシがその心中、ひとつ噺に仕立て上げ、後の世に伝えてまいりましょう。見る人誰もが固唾飲む、謎が謎呼ぶ噺にさ。そしてあんたらは来世でふたり、そいつで笑っておくんなせぇ」
ここまでくればおわかりでしょう、今から語るはその噺。歴史の中で語り継がれた、二人の男女の物語。
知らざぁ言って聞かせましょう、その名も「銀座木挽町 謎掛心中噺」──
所感
心中の話なのか!とストーリーを見ずに行ったので(タイトルにもあるのにね)のっけから悲恋で死に突き進むストーリーに「こ、これはどうなってしまうんだ…」という感じのハラハラ感があります。
長いこと謎解きしていますがなかなか「死のうとしている」人を扱うというストーリーはないので斬新でした。
歌舞伎では「心中物」というジャンルがあるらしく、特に近松門左衛門が書いたものが有名だとか。「曾根崎心中」とかですね。私でも名前くらい聞いたことあります。
それを謎解きとして料理するとはなんともお上手でした。
結末は…個人的には「んえええ!?」となったのですが、歌舞伎ではこういう感じでまとまることが多いのかな…わからないけど…。
そうなるとこの公演は単に「謎解きが好き、得意」な人向けの謎解きという訳でもないんだろうなと思いました。
ちなみにちょっと歌舞伎の心中物を調べていたら
またこうした心中ものの流行の結果、来世で二人の愛が結ばれることを誓った心中事件が多発したため、江戸幕府は享保8年(1723年)より上演や脚本の執筆や発行を禁止すると共に、心中者の一方が生存した場合は極刑を申し渡し、双方生存の場合は晒し者にしたのち市民権を奪い、心中死した遺体は親族に下げ渡さず一切の葬儀を禁ずるなど、心中事件に対して苛烈な処置を行ったが、その後も江戸四大飢饉や天明の打ちこわしといった事件により民衆での心中は流行していた。
そうで。なんか、まあ当時と比べれば自由に恋愛や結婚ができる現代のありがたみがわかったよ…(?)
謎の話
タカラッシュブラックレーベルはお話を進めていくと自然に謎がある…という印象の周遊が多いですが、今回もそうでした。
歌舞伎座や歌舞伎座で行われている展示をうまく利用して、歌舞伎にも詳しくなりました。そして悲恋のストーリーを味わううちに謎を解き終わっている…という感じでしょうか。
難易度としては全体はさほど難しくないけれども、最後の方はかなり首をひねるかなという感じです。実際エスパー(なんかしらんが解けた)した後、解けた夫に「なんで?」と聞いたくらい。わかれば納得いくし、天才か!と思います。
そこはブラックレーベルらしさかなと。
歌舞伎が好きな方もプレイしても楽しくできるのではないかと思います。ヒントもありますし。
また、最近多いのですが、ラストステップはどこでもプレイ可能なので2時間くらいあれば歌舞伎座の探索は終わるかと。あと、ほとんどが室内の周遊なのでとても快適でした。これからも暑い日が続くと思うのでそんな日にはお勧めです。